CorelDRAW で輪郭を使用する

by Anand Dixit

[輪郭] コマンドにより、選択したベクタ オブジェクトやテキスト オブジェクトに平行枠線の図形を追加できます。さまざまな設定を利用して、さまざまな種類の輪郭を作成することが可能です。それぞれの輪郭をどこにどのように使うと効果的か、順に見ていきましょう。

輪郭ツールは、ツールバーの [効果] フライアウトにあります(フライアウトを表示するには[効果] ボタンの黒い三角形を長押しします)。Ctrl + F9 キーを押すと 等高線ドッキング ウィンドウが開きます。次の操作で開くこともできます: メニューバー > [効果] > [輪郭]

[輪郭] プロパティバーで利用可能な設定

輪郭の種類:

  1. 中心へ: 輪郭が中心へのオフセット距離で作成されます。この輪郭を使用する場合は、オフセット距離とオブジェクトの内側の空きスペースに従いステップ数が自動計算されます。ユーザーによるステップ数の指定はできません。
  2. 内輪郭: オフセット距離とステップ数をユーザーが指定して、輪郭をオブジェクトの内側に作成することができます(上記の輪郭タイプで、オフセット距離の設定値が輪郭を作成するための空きスペースより大きい場合、「オフセットが大きすぎます」というエラーメッセージが表示されることがあります)。
  3. 外輪郭: オフセット距離とステップ数をユーザーが指定して、輪郭をオブジェクトの外側に作成することができます。

輪郭の適用

輪郭は、ベクタ オブジェクトまたはアート テキスト オブジェクトに適用することができます。

輪郭を追加する 2 つの方法

  1. 選択したオブジェクトをクリックし、輪郭ツールでオブジェクトの内側または外側をドラッグする。
  2. オブジェクトを選択し、プロパティ バーの [輪郭の種類] ボタンのひとつをクリックする。

オブジェクトに輪郭が追加されたら、プロパティ バーの設定を変更してお好みのスタイルに仕上げることができます。


シンプルな輪郭の例

テキスト オブジェクトに輪郭を追加する

適用した輪郭(輪郭の種類: 内輪郭、ステップ数: 9 、オフセット:0.5mm、輪郭の角:マイター、塗りつぶし:赤、アウトライン:なし)

ベクタ オブジェクトに輪郭を追加する(下図参照)

  1. 輪郭の種類:外輪郭、ステップ数:9 、オフセット:0.5mm、輪郭の角:マイター、塗りつぶし:赤、アウトライン:赤
  2. 輪郭の種類:中心へ、ステップ数:なし、オフセット:0.5mm、輪郭の角:マイター、塗りつぶし:赤、アウトライン:赤
  3. 輪郭の種類:内輪郭、ステップ数:2 、オフセット:1 mm、輪郭の角:マイター、塗りつぶし:赤、アウトライン:赤

輪郭を分割するには [分割(Ctrl + K)] コマンドを使用します。指定されたステップ数と同じ数で作成された輪郭形状からオブジェクトが分割されます。輪郭オブジェクトはグループ分けされるかバラバラに分割されます。

輪郭オブジェクトを使用して作品を仕上げる

ステップ 1: 輪郭を適用したアート テキスト オブジェクト(輪郭の種類:内輪郭、ステップ数:1 、オフセット:1mm、輪郭の角:マイター、塗りつぶし:白、アウトライン:なし)

ステップ 2: Ctrl + K を押して輪郭を分割します。テキスト オブジェクトと輪郭が分割されます(わかりやすいように、ここでは輪郭形状の色を白から青に変更してあります)。

ステップ 3: 元のテキスト オブジェクトと輪郭オブジェクトをその場所に維持したままで複製を作り(Ctrl+D)、元のテキスト オブジェクトを水平方向に移動します。下図のスカイブルーのオブジェクトは赤いテキスト オブジェクトの複製で、水平方向に移動したものです。

ステップ 4: スカイブルーのオブジェクト(複製)を使用して白いオブジェクトをトリミングすると、下に示すような作品に仕上がります(トリミングするには、両オブジェクトを選択してプロパティバー[トリミング] アイコンをクリックします)。作業が終了したら、スカイブルーのオブジェクトは削除します。


輪郭を使用して複雑なイラストに濃淡をつける

必要な図形を作成し、適切な色を選択して完璧な濃淡を生み出すには、特別な技が必要になる場合があります。

下図のカラーイラストには、異なる図形に輪郭を使用して陰影効果が施されています。ブレンドのような他の効果が適用されたオブジェクトを含めることもできます。

  1. 元のベクタ オブジェクト/図形
  2. アウトライン 設定「なし」、そして C0 M25 Y25 K0C0 M50 Y45 K0グラデーション塗りつぶしで塗りつぶされた輪郭オブジェクト
  3. 次の設定の輪郭を適用:輪郭の種類:中心へ、オフセット:0.3 mm、輪郭の角:マイター、塗りつぶし:塗りつぶしカラー C0 M35 Y40 K0、最終カラー C0 M20 Y25 K0
  4. 輪郭が適用された後のオブジェクトをワイヤーフレーム モードで表示(表示 > ワイヤーフレーム)しています。

カラーイラストを見ると、色の濃淡のためにイラストの中に 3D 効果が再現されている領域があることがわかります。このイラスト内の色の濃淡は、さまざまな形状と輪郭のさまざまな設定により作成されています。ワイヤーフレームのイラストと比較して、このカラーイラストに輪郭が適用された領域を確認してみましょう。


お好みの仕上がりを得るために利用できるさまざまな輪郭設定をいくつかご紹介します。

カラー ブレンド: 元のオブジェクトの色と輪郭用に設定された色の間でブレンドする場合、3 種類の選択肢があります。塗りつぶしの色とアウトラインの色をブレンドすることもできます。カラーブレンドは a) 一直線、b) 時計回り、c) 反時計回りのいずれかに設定します。

アクセラレーション:アクセラレーションを使用すると、ステップ間で形状を変更する輪郭の比率を指定することができます。等高線のドッキングウィンドウで色のアクセラレーションを設定することも可能です。

輪郭の角:輪郭の角は、マイター、ラウンド、またはべベルのいずれかを指定できます。

3D 効果の再現に加え、輪郭を使用してプロッタ、彫刻機器やビニール カッターなどのデバイスへの出力用に切り取り可能なアウトラインを作成できます。オフセット印刷またはシルクスクリーン作品に使用されるオブジェクトのにじみを作成するために輪郭を使用することも可能です。


ご存知でしたか?

  1. 輪郭は、画面でインタラクティブに適用したり編集したりすることができます。
  2. 輪郭は、標準塗りつぶしおよびグラデーション塗りつぶしの両方に対応します。
  3. 輪郭のプロパティは、次のいずれかの操作でオブジェクトからコピーすることができます。
    1. プロパティ バーの [輪郭のコピー] ボタンを使用する。
    2. 輪郭オブジェクトをクリックして属性スポイトを使用し、他のオブジェクトをクリックしてプロパティを移動する。
    3. または、効果 > 輪郭のコピー > 等高線 を使用する。
  4. 輪郭効果のクローンを作成することができます。マスター オブジェクトに適用された変更は、自動的にクローンにも反映されます。輪郭のクローンを作成するには効果 > クローン効果 から行います。
  5. 輪郭を作成できないオブジェクトもあります(例えば、透明度を適用されたオブジェクトなど)。ただし、オブジェクトに輪郭を適用し、輪郭グループを分割してからオブジェクトに透明度を適用し、一味違った効果を生み出すこともできます。