CorelDRAW X6のカラースタイル

by Marc Bech

このチュートリアルはCorelDRAW® Graphics Suite X6用です。旧バージョンにも同様の機能が存在している場合がありますが、このチュートリアルはCorelDRAW X6のみに完全対応しています。

DTPソフトウェアやワード プロセッサ アプリケーションをご使用の方は、スタイル コンセプトに馴染みがあるかもしれません。スタイルを使用すると、ドキュメントを効率的に統一してフォーマットを整えることができ、作業時間を短縮できます。セットアップと制作にかかる時間が削減し、広範囲な変更をすばやく行うことができ、お客様の要求でデザインを変更する時も負担が軽減されます。

このチュートリアルでは、以下の内容を学習します。

  • CorelDRAWのカラースタイルについて
  • カラースタイルを作成する
  • カラースタイルを編集する
  • カラースタイルを他のオブジェクトに適用する

CorelDRAW®のカラースタイルとは

CorelDRAWのカラースタイルとは、保存したカラーをCorelDRAW デザインのオブジェクトに適用するためのカラーです。カラースタイルを更新すると、カラースタイルを使用したすべてのオブジェクトが自動的に更新されます。CorelDRAW が提供するカラーの無限の可能性とカラースタイルによって、希望通りの正しい色を簡単に適用することができます。

カラースタイルを作成する

カラースタイルは、既存のオブジェクトから作成することも、ゼロから作成することもできます。作成したカラースタイルは現在アクティブなファイルに保存され、カラースタイル パレットで見ることができます。

  • [ウィンドウ] > [ドッキング ウィンドウ] > [カラースタイル] をクリックして [カラースタイル] ドッキング ウィンドウを開きます。
  • [カラースタイル] ドッキング ウィンドウのグレーの領域上部の『カラースタイルを作成するにはここにドラッグします』と書いている部分に、隣接するデフォルト カラー パレットから任意の色をドラッグします (図 1 を参照)。希望の色をいくつか追加します。カラースタイルは、各カラー ボックスの左上隅に小さな白い三角形が表示されています。


    図 1

  • 既存のイメージからカラースタイルを作成するには、そのイメージを CorelDRAW で開きます。
  • 使用したいカラーを含むオブジェクトを選択し、[カラースタイル] ドッキング ウィンドウのグレーの領域上部にドラッグします (図 2 を参照)。新しいカラースタイル パレットが作成されます。


    図 2

カラースタイルを編集する

カラースタイルを作成すると、[カラースタイル] ドッキング ウィンドウの [カラー エディタ] が自動的に開きます。カラースタイル パレットの任意のカラー ボックスを選択し、[カラー エディタ] セクションの [カラー スライダを表示] ボタンをクリックします。カラー スライダ、さまざまなカラー値ボックス、スポイト ツールを組み合わせてカラーを変更できます (図 3 を参照)。

  • カラースタイル パレットでカラーを選択します (1)。
  • [カラー エディタ] セクションのさまざまなツールを使用してカラーを調整します (2)。
  • カラーを編集すると、画像内で前のカラーが使われていた部分が新しいカラーに置き換わります (3)。また、新しいカラーと前のカラーを比較できます (4) 。


    図 3

    [カラー モデル] リスト ボックスで、任意のカラーを異なるカラー モデルに変更できます。また、[追加のカラー オプション] ドロップダウン (5) をクリックして、スポット カラーを追加できます。
  • カラーの編集を終了するか、または [カラースタイル] ドッキング ウィンドウを閉じたい場合は、カラースタイル パレットを開いてデフォルトのカラー パレットの横に表示することができます。[ウィンドウ] > [カラー パレット] > [カラースタイル パレット] をクリックすると、カラースタイル パレットが開きます。カラースタイルは、各カラー ボックスの左上隅に小さな白い三角形が表示されています (図 4 を参照)。


    図 4

  • ドキュメントで使用していないカラースタイルは、[カラースタイル] ドッキング ウィンドウの [未使用スタイルの選択] ボタンをクリックして一度にすべて選択し、[削除] ボタンをクリックして削除できます (図 5 を参照)。


    図 5

カラースタイルを他のオブジェクトに適用する

カラースタイル パレットは、他のカラー パレットと同じように扱うことができます。開いている CorelDRAW ドキュメントの他のオブジェクトにカラースタイルを使用できます。カラースタイル パレットと他のカラー パレットとの違いは、カラースタイルを適用するにはカラースタイル ボックスをダブルクリックする必要がありますが、他のカラー パレットではワンクリックで済むことです (図 6 を参照)。




図 6

注意:

  • 写真からカラー パレットとカラースタイルを作成することはできますが、ビットマップ オブジェクトのカラーは、ベクトル グラフィックのように [カラー エディタ] を使用して即座に変更することはできません。
  • CorelDRAW デザインにカラーを追加すると、そのカラーがドキュメント パレットに追加されますが、カラースタイルを作成した時、そのカラーはドキュメント パレットに自動的に追加されません。カラースタイルをドキュメント パレットに追加するには、そのカラースタイルをドキュメントのオブジェクトに適用する必要があります。
  • 既にお気付きだと思いますが、オリジナルのカラーをカラースタイルに変換して、カラーの調和に使用することができます。.この便利な機能については別のチュートリアルでご説明します。カラーの調和は、オリジナルのカラーと色相ベースで同じ関係を持つカラーのカラー パレットを作成するために使用されます。1 つのカラーを変更すると、カラーの調和スペクトルのその他のすべてのカラーが自動的に更新され、色相ベースの関係が保たれます。カラーの調和はカラースタイルのグループから作成できます。